自動車保険の任意保険の中には、対物賠償保険というものがあります。ものを壊した際に支払われる保険ですが、この対物賠償保険はどのようなものなのかを詳しく紹介していきます。
対物賠償保険とは?
対物賠償保険に加入することで、交通事故で他人の財産に存在を与え、賠償責任が発生した場合に保険金が支払われる保険です。
しかし、対物賠償保険はあくまで他人の財産の損害しか認められていません。
例えば、家族の車に間違えて突っ込んでしまった場合、自身の家の車庫を車で壊してしまった場合などは、対物賠償保険の対象外になりますので、注意をしましょう。
事故の「直接損害」と「間接損害」
対物賠償保険ですが、
- 直接損害
- 間接損害
この2つにも保険が支払われます。
直接損害については、すぐにイメージをすることが出来ると思われますが、間接損害については、すぐにはイメージしにくいものではないのでしょうか。
直接損害とは
対物賠償保険の直接損害とは、事故が起きなければ、そもそも発生することのなかった損害についての費用を言います。
- 車の修理費用
- 建物の修理費用
- レッカー費用
- ガードレール、道路などの補修費用
間接損害
間接損害とは得られはずの利益が、その事故によって失われた損害を指すものです。
- 商業用車両の逸失利益
- 商業施設の逸失利益
- 従業員の給与
これらが間接損害です。特に商業施設の逸失利益に関してはイメージしやすいのではないのでしょうか。
例えば、コンビニに車が突っ込んでしまったら、そのまま営業をすることは当然できません。そうしますと、店舗の修理期間中の営業補償、壊れた商品の補償、従業員の給与の補償など、莫大な損害が起きます。
つまり、商業施設の場合は直接損害と間接損害により、莫大な補償金を請求されてしまいます。
1996年に起きた事故では、パチンコ店に突っ込み、1億3,580万円が認定損害賠償額として請求されています。
対物賠償保険は無制限が基本
対物賠償保険に関しては、賠償額が1,000万円を超えるような事故が発生するケースは珍しくありません。そのため、多くの保険会社は無制限をすすめています。
どんなに安全運転を心がけている人であっても、車に乗る以上、「もしも……」が存在します。そのもしも……というときのためだけに払う保険なのですから、対物賠償保険は無制限に加入して損はないのです。
無制限は、上限が決まっている保険料より高くなりますが、比較をするとそこまで保険料が高額になるというわけでもありません。いざというときのために、無制限にしておくことをおすすめします。
まとめ
対物賠償保険は、他人の財産を損害したときに支払われる保険ですが、その事故が発生したことにより、間接的に発生した損害に対しても、対物賠償保険は支払われるのです。
間接的に発生した損害とは、例えば、商業施設が事故により休業を余儀なくされたことによる損害です。この間接損害に関しては、非常に高額になる傾向があります。
そのため、対物賠償保険に関しては「無制限」に加入しておいた方が安全です。